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ぶらぶらと。

一柳 信行

年末です。先生も走り出すといわれる慌ただしい時期を迎えました。
では、アナウンサーはどうなのかというと、人によって全く違います。
情報・報道系、バラエティー系の人は、年末年始の特番用のロケや取材がたて続けに入るので多忙になります。
(特に今年は衆議院議員選挙が入ったことで全社的にてんてこ舞いでした。)
で、私のような社内では少数派のスポーツおしゃべり軍団はどうなのかというと、実はこの12月が一番ホッと出来る時期なのです。プロ野球が一段落し、各自担当の他の競技も12月上旬だけは大きな試合がありません。というわけで、この時期に少しまとまって休みを取る人が多くなります。

あなたは長い休みが取れると何がしたいですか?
私はまず一番に思うのは、定番ですが海外旅行ですね。しかもここ数年は円高だし、海の美しい南の国にでも飛んでマリンスポーツを楽しみたいのですが、世の中そんなに甘くない。
海外に一人で行ってもつまらないし、そんな勇気もない。誰かを誘いたい。でも、だいたい12月は年末を控え、世間は一番忙しい。そんな時期に大手を振って会社を休むのは、相当な覚悟と勇気がいるはず。
なので、結局単独行動でぶらぶらするのが近年の私のパターン。
今年はどうしたのかというと、そのうちの一日は呉に行っていました。ずいぶんと近場だ。
なぜ呉なのかというと、大和ミュージアムに行ってみたかったからです。
呉はスポーツの取材や実況で一年に一度はお世話になっている地ですが、最近は仕事抜きでいったことがありませんでしたしね。

いつも行くときは車でした。でもたまには電車に揺られてみるのも良かろうと思い、JRを使いました。
呉線に乗るのは本当に久しぶり。はっきりとした記憶が残っているのは高校3年生の夏、甲子園大会の県予選で二河球場に行った時くらい。負けたら終わりなのでハイテンションになってしまい車中のことは全く覚えていませんが、大人になってから見る車窓からの風景は実に美しかったですね。

この日は朝から晴天に恵まれていた。波静かな青い海のきらめき。向こう側には深い緑の島。
その間を高速船が通ると、後ろには長く白い軌跡が。そして私の横には眠りこけている大学生・・・。
もたれかかられても全然気にならない。
対向列車の通過待ちもあったような気がする。これは単線ならでは。
見るもの全てが新鮮なので、待ち時間があってもそれはそれで、いとおかし。

一番笑えたのは呉駅に着く2~3手前の駅でのこと。
停車中に山手側を見ると、駅のすぐ横の竹やぶにドラえもんのぬいぐるみを発見。
しかもそのドラえもんはブランコに乗っているではないか。風が吹いて竹やぶが揺れると、ブランコも揺れる。
まるでドラえもんがこいでいるかのように見える。
多分近所にお住まいのかたが作ったのでしょうが、あの遊び心に、その人の発想の豊かさを感じました。

昼の呉の街も散歩したかったのに、大和ミュージアムをじっくり見すぎた関係で、いつの間にか夕暮れ時に。
あとは、てつのくじら館にしか行けなくなってしまった。
これが夏だったら、あと2時間以上は街歩きができたはずなのにと思いながら、暗くなったホームで電車を待った。
あの日感じたのは、車窓から見た景色の美しさ。そしてちょっとだけ鉄っちゃんの気持ちかな。


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