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  3. 時代の流れ

「私は、廃校になることに賛成したんです。」

その小学校を50年以上前に卒業した男性は、そう言いました。
 

庄原市西城町の、旧 小鳥原(ひととばら)小学校。
山あいにある、小さな学校です。


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昔ながらの校舎は、至る所に思い出を感じます。

ありし日の休憩時間、この廊下の窓の桟にもたれかかって、

同級生と話したんだろうな、とか


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体育館へと続くすのこからは、上履きでぱたぱたと歩く音が聞こえてきそうでした。


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卒業生でもない私を、優しく迎えてくれた元小学校は、
平成19年に廃校になりました。

 

冒頭の男性は、学び舎での思い出を感慨深そうに語ってくれました。
先生に怒られてコブが出来たこと、
階段をみんなで拭き掃除したこと。
しまっていた宝物を取り出すように、ゆっくりと。

ただ、お子さんがこの小学校に通っていた時、同級生が5人しかいなかったんだそう。
友達をたくさん作ってあげたいとの想いから、小学校の合併に賛成しました。

「寂しいけど、仕方ないかなあという感じで。
 それが、時代の流れかなぁと。」

 

「時代の流れだから仕方ない」
男性と同じように、そう思わざるを得ない人たちが、学校が、増えています。
広島県だけの話ではありません。

卒業生をして、母校がなくなることに賛成させるとは、
言いようのない切なさを感じました。


 

ただ、男性が感じたその寂しさは今、期待に変わっています。
小鳥原小学校が生まれ変わることになったのです。
廃校リノベーションという県の取り組みで、

校舎の2階部分を改修することになりました。

デザインを手がけるのは、東京大学の隈研吾研究室。
コンセプトは、山々に囲まれた 木と竹の学校。

完成すれば、地域内外の人の交流スペースとして活用したり、
近所の高齢者たちが自宅裏の畑で作った野菜を販売する

軽トラ市が開かれたりするんだとか。


子どもたちの笑い声で溢れていたこの地域に、

また違った笑顔が生まれるかもしれません。
今は少しさみしそうな校舎も、その瞬間を心待ちにしているように感じました。
 

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