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皆さまいかがお過ごしですか?

わたしはお盆休み千葉に帰省しました。

家族と、通い慣れた近所の中華料理屋へ行き、「あら、久しぶりじゃないよ。いつ帰ってきたの?で、まだ独りなの?」と

お店のママにからかわれ、「あ、はい…」と、ちょっと照れ臭い。

この感じ、昔から変わらない。
「あら、パパが知らないだけで、好きな子くらいいるわよね、もう中学生なんだから」
「いや、はい…」

幼いときからこんなやりとり。
安心する時間。安心する場所。安心する人。
いつも通りってありがたいなと、しみじみ。

我が家にとって、何かお祝いだというと決まってその店。
だから嬉しい思い出が多い。

蟹も、鮭も、海老も不要。
かまぼこ、チャーシュー、他はよくわからないけど、とにかくシンプルな
五目チャーハンがわたしのお気に入り。
何度この店に来たかわからないが、五目チャーハンから浮気したことはほとんどない。

「え、これ一人前ですか?」
と最初に頼んだ人は必ず聞き返したくなるほどの大盛り。
子供の頃は、どうしても一人で食べきることができなかった。
高校生になり初めて一人で完食したときは、なんだか寂しかった。
ああ、わたしもとうとう大人になってしまったのだと。

生まれたときからあった店。
いつもにこにこと優しいマスターに、
その奥様で、派手なエプロンが似合う、おしゃべり好きなママ。
ご夫婦で犬を飼っていらっしゃることから、
うちの愛犬バーディーのことを、バーディーちゃん、バーディーちゃんと
とても可愛がってくれて。
ときどきサービスにこっそり杏仁豆腐を出してくれて。
毎回おいしいチャーハンを食べさせてくれて。
担々麺を食べ終えたら、お腹いっぱいのところに白飯を持ってきて、
丼に入れて余ったスープと絡めたら絶品なのと、ものすごくお薦めされて。
でもお腹はいっぱいで。
でも断れなくて。
で食べてみたら確かにおいしくて。

生まれたときから、今まで、ずっとわたしの成長を見届けてくれた。
大切な場所だった。

秋に閉店しちゃうのよって、と母から聞いたときは、不意をつかれた気分だった。

今まで当たり前のようにあった店が、無くなる。
いつもお店にいた人が、いなくなる。
自分でも想像以上に、ショックだった。寂しい。
わたしにも家族ができたら、その店に行きたかった。
マスターやママがわたしに向けてくれた愛情を、家族にも味わってほしかった。
ずっとそこにあると思っていた。

長い間お疲れ様でした。
おいしい料理と、たくさんの愛情を提供してくれて、ありがとうございました。

町の中華料理屋さん。
何気なく存在しているかのように見えるお店にも、一人ひとりの思い出がある。

思い出の味をしっかり記憶にとどめたい。


家族思いで

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