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  4. 俺の家のマスクの話

寂しい…。でも、大好きな作品に出会えた満足感でいっぱいだ。

夢中になって見ていた金曜ドラマ「俺の家の話」が終わってしまった。

最終回前日の3月26日には中国新聞の「天風録」にも取り上げられ、多くの人が笑って泣いて愛したドラマであったことを実感した。


このドラマには様々なマスクが出てくる。登場人物たちが普通に不織布マスクやデザインマスクを着けているのを見ると、コロナ禍の生活をよりリアルに感じた。こうした感染予防対策のマスクはもちろん、覆面プロレスラーのマスクも出てくるし、「能」のお面もある意味マスクと考えることもできるだろう。個人的には身体が大きい長州力さんだけ一番小さなマスク、いわゆるアベノマスクをずっと着けさせられているのが毎回面白くて面白くて…。

 

思えば1年前に始まった、とにかく「マスクをつけよう」という春…。あっという間に「マスクがない」が当たり前になり、本来は使い捨てであるはずの「不織布マスクを洗って繰り返し使う」という時期もあったし、ハンカチやガーゼで「マスクを手作りする」方法もよく紹介されていた。そして少しずつ街中でマスクの販売を見かけるようになるとその光景に驚いた。「マスクが高い」。そしてマスクとは関係なさそうな「異業種の店舗でのマスク販売」。「大手メーカーが次々にマスク販売に参入」し、猛暑で危険な暑さになると状況に応じて「マスクを外して熱中症予防」をすることも学んだ。テニスの全米オープンを制した大坂なおみ選手が「マスクでメッセージを発信」し話題を呼んだこともあった。そしてマスク不足が解消されると、「やっぱり感染予防には不織布マスクがいい」という流れに…。そして迎えた1年後の春。変化し続けてきたマスクを巡る生活は、脚色された世界であるはずのテレビドラマの中でも日常として描かれていた。

 

前述の「天風録」はこう結ばれていた。「マスクなんて(略)いつまでやるの」と物議を醸した政治家に対し、「特効薬ができるまでの答えを教えて差し上げよう。『俺の家を出て、俺の家に帰るまで』ですよ」と。いつまでかは分からない。でも、もう少しこの生活を頑張ろうと思う。1日の仕事を終えて帰宅しマスクをとる。ずっと着けていたマスクをとった瞬間に入ってくる新鮮な酸素。湿っていた鼻や口の周りに触れる空気は室内なのに風を感じるようだ。息がしやすい。喋りやすい。すっかり慣れてしまったあの顔を何かに覆われている感覚から解放され自由を満喫する肌は、同時にようやく訪れたマスクをとってもいい空間と時間を手に入れた安心感にも包まれている気がする。今日もこうして家に帰ってきた。そして「ただいま」と「おかえり」。互いにマスクをしていない家族の顔を見る。ホッとする瞬間。これが俺の家のマスクの話だ。


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