新緑の5月、本当に緑がきれいな季節ですね。
実は…かつて僕は…この広島の緑を守っていました!
学生時代に経験した数々のアルバイトの中で、
短期間ですが深く印象に残っているのが
「緑地帯の散水栓を開閉して回る」という仕事です。
普段何気なく生活しているとあまり意識はしませんが、
緑の植え込みがある道路や歩道って多いですよね。
雨が降らない時期でもキラキラと輝く緑…
一体誰が水をやっているのかというと、担当する業者さんが
真夜中に作業をしているんですね。
その手伝いをするアルバイトが僕は大好きでした。
仕事は夜9時集合。その日に散水する緑地帯に向かい軍手をはめ植え込みの中に顔を突っ込み蛇口を探します。そして蛇口をひねると植え込みの中に通っている一本の長いホースに開けられた小さな穴からチョロチョロと水が出てきます。その水の出具合をちょうどいい感じに蛇口で調整して前半の仕事は終了です。
こうして数か所の散水栓を開けて回った後は、折り返しです。
午前1時頃から開けた順番に閉めていきます。すると一か所につき3~4時間は水やりが出来たことになります。そして早朝5時に「今日も広島の緑は俺が守ったぞ…」という心地よい満足感と程よい眠気の中で仕事終了です。
20年以上前の話なので現在は仕事内容やシステムも変わっていると思いますが、今でも広島の街を歩くと「昔、水をやったあの植え込み…今日も元気そうだな」と懐かしく愛おしく思えるのです。祖父が大工で父が建具という職人の家系で、なぜかアナウンサーになってしまった僕ですが、自分の仕事の成果が日々暮らす街の中に存在しているって、かっこいいなぁと思うんですよね。