胸の痛む広島市の土砂災害から約3週間が経ちました。
私の知人の関係者にも、命を落とした方や、家が住めなくなった方、車も流された方がおり、本当に他人事ではありません…。
マツダスタジアムでのカープの試合では、いまだ半旗が掲げられたままです。
安佐南区の広陵高校出身の野村祐輔投手や中田廉投手は、身近な場所での災害で同級生なども住む地域ということで大きなショックを受けていました。
私も度々現場に向かいましたが、目の前に広がる光景は、東日本大震災後に行った宮城県・南三陸町や気仙沼と似ていました。
その際、南三陸ではがれき処理のボランティアを行いました。
震災後9か月が経っており、大きな岩や流木、家の壁などはありませんでしたが、一見平坦に見える場所でも、土砂が家の基礎部分にまだ覆いかぶさっており、お皿が割れていたまま埋まっていたり、ガラスの破片も出てきたりしました。
こういった処理は、ショベルカーなどの重機ではできません。
写真やアルバム、保険証など、個人の大事なものも出てきます。
ですので、手作業で行う必要がありました。
当時の被災者の方が言われていて印象的な言葉があります。
「車や屋根など大きなものは取り除かれて、一見がれき処理は終わったかのように見えるかもしれませんが、本当のがれき処理とは『ここに住む子供たちが裸足で土の上を走り回れるようになったとき』に終わるんですよ。だから多くの“人の力”が必要なんです」
広島市内の土砂災害から3週間。
テレビ画面からは少しずつ復興している様子が伝わっていると思います。
しかし、個人的には本当のがれき処理はこれからだと感じます。
またあの場所に住むみなさん、そして子供の笑顔が見られる日が来ることを願いつつ、広島に生まれ、広島の放送局に努める人間としてできる最大限のことを考えていきます。