6月19日、プロ野球開幕。
横浜へラジオ実況のため乗り込む日でした。
しかし現地の予報は雨…。
約3か月待ったのに、さらに延びてしまうのか。
半信半疑で新幹線で資料の準備をしていました。
プレーボール4時間前。
横浜スタジアムに到着。
視界が霞むほどの雨…。
練習は室内のため見られず。
そして放送席へ行くと、
まさかの光景が…。
関東の局の部屋を借りているのですが
なぜか、ハマスタで阪神グッズが置かれていました(苦笑)
とりあえずこの座布団に座っての実況です。
開幕30分前。
無観客のためか、高揚感も少なく、極度の緊張感もない。
どちらかといえば、「本当にこれからはじまるのか…」という地に足がつかない感じでした。
そして第一声を何にすべきかずっと悩んでいました。
伝えたいこと、伝えなければならないことはたくさんあります。
通常の試合であれば、天気、球場風景、選手の様子、チーム状態のどれかを喋っていると1球目になるのですが、異例の状況で迎える2020年。
開幕が延期したこと、佐々岡新監督の初陣、カープ70周年など
ほかにもプレーボール前に入れ込みたいフレーズがたくさんありました。
逆に「新型コロナウイルス」というフレーズは絶対に放送中に言わないようにしようと思っていました。
さて、どれを第一声にするか…。
17時55分になっても悩んでいると…どんどん強まる雨脚。
「そろそろDeNAの選手たちがシートについてもよい頃なのに
あれ?出てこない。まだ何か開幕戦ならではの演出があるのか?」などと考えていると
18時のラジオ中継開始30秒前。
「おっ、これは1球目まで時間がありそうだぞ…」
ということで、イメージしていたフレーズを許す限り並べて伝えてみようと決断。
『2020年は鯉の季節に野球ができませんでした。カープ70周年のシーズンは梅雨の季節に開幕です…』
などなど喋っていると、
ビジョンに浮かんだ「18時30分開始予定」の文字…。
なんと、放送開始30秒で、すべてのプランが崩壊(苦笑)
ただ、そのあと、解説の山崎隆造さんに言ったひと言
「開幕が今年は91日遅れました。30分なんてあっという間ですよね!?」
というのが本心だった気もします。
その後、雨は降り続きましたが、無事に18時32分に始まり、みなさんご存知の通り、最高の開幕戦になりました。
8回ウラの三好選手のファインプレーに感動し、9回表の大瀬良投手の驚愕の初ホームラン!
その瞬間、放送席はこんな様子でした。
最高の初陣となった佐々岡カープ。
ちなみに私のリポーターデビューは2007年佐々岡さんの引退試合(横浜戦)
実況初勝利は2009年横浜戦。解説が佐々岡さんでした。
そして監督初勝利を放送席から伝えられたことは幸せでした。
佐々岡さんには心から感謝です。
まだまだ無観客で、いつもの雰囲気とは違う球場ですが、120試合とは言え11月までの長い戦いが幕を開けました。
1日も早くスタンド観戦できる日を心待ちにしていますが、
ぜひ、テレビ・ラジオを通じても
佐々岡新監督率いるカープを温かく応援してください!