10月26日(月)。
プロ野球のドラフト会議。
カープは今年、ドラ1を公言しなかった。
例年であれば都内の会場にいけば、最新情報を得られる可能性もある。
だが今年は新型コロナの感染防止のためにファンもマスコミも入れない。
RCCとしてどうするか。
特に月曜のイマナマは私が担当するカーチカチテレビの日。
カープ情報満載でお届けする日にじっとしてはいられない。
よし、ひとまずドラ1候補の近くへ行こう。
新型コロナ対策を怠らず、早朝にRCCを出発。
ディレクターとの二人旅。
全国どこからでも中継できる機材を持ちながら新幹線に乗った。
ドラ1候補は13人との情報。
新聞予想は早大の早川投手とトヨタ自動車の栗林投手に割れていた。
午前9時半。
まずは名古屋駅で降りてみる。
社会人No.1右腕、トヨタ自動車・栗林投手がいるエリアだ。
ただ本人がいる豊田市は車で1時間弱近くかかる。
名古屋城の金のシャチホコを見つめながら
金の鯉の卵は誰なのかを考えていた。
お堀に鯉が一匹泳いでいた。
カープのホームユニフォームのような白い鯉。
ディレクターにすぐ撮影をお願いした。
しかし、すぅ~~~っと深く潜って消え、撮影できなかった。
「鯉と愛知は縁がないというサインかもしれない」
しかも、カープは14時から都内で最終会議を開いてドラ1を確定させるとのこと。
「早大の早川投手だったらどうする?」
前回の散髪から75日目。
伸びた後ろ髪をひかれながら、再び新幹線に乗った。
午後3時。西東京市。
早稲田大学の野球部へ。
まだ静かなグラウンドを背に生中継。
果たして、ロッテとヤクルトが公言している中、
競合覚悟で早川投手に指名をするのか。
ただ指名があっても早川投手の会見は午後7時からと決まっていた。
ドラフト開始まであと2時間。
このままじっとしていてよいのか?
「せっかく関東にいる。外れ1位のケアも必要なのでは?」
いろんな声が飛んでくる。
「早稲田近くの候補者は?いた、明治大学の入江投手だ。」
明治と言えば、森下投手が1年前に指名された大学。
「カープと再び縁があるかも!?」
タクシーに飛び乗った。
次の生中継まで、約1時間。
ただ新型コロナの感染予防でマスコミの数に制限が。
明治大学の敷地には入れないことはわかっていた。
ネタをどうする?
明治とつながりのある場所はないか?
野球部のある府中市。
そばにあるのは・・・東京競馬場。
競馬の本命は関係ない。ドラフト1位の本命が知りたい。
お、そばに神社がある。大國魂神社。
明治大学野球部が必勝祈願に訪れるとのこと。
しかも縁結びの神様としても有名だそうだ。
カープとの縁はあるのか?
祈願することはただひとつ。
「カープがドラフト1位で希望する選手の交渉権を獲得できますように」
いや、もうひとつ。
「できれば我々のきょうの行動が実りますように」
明治大学近くなのでもうひとつ。
「森下投手が新人王をとれますように」
おみくじを引いてみた。
・
・
「吉」
運勢欄にはこう書いてあった。
『思いがけぬ幸せに恵まれることがあります』
これは東京に来た甲斐があるということか!?
願事の欄を見てみる。
『気ながに待てばやがてかないましょう』
「気ながに!?・・・待つ?」
まさか、午前中にいた愛知でずっと待っていれば良かったのか?
時刻は4時45分。
いやいや、今から愛知にいっても、間に合うはずはない。
明治大学のそばからの生中継を終え、
近くのファミレスで運命のドラフト会議を
チェックすることにした。
広島を午前6時30分に出て、
右往左往する中、10時間以上が経っていた。
午後5時15分。
ついに1巡目位指名が明らかに。
・
・
・
『広島東洋 栗林良吏 投手 トヨタ自動車』
「・・・・(無言)」
その瞬間、カメラも回っていたが、
私は大きなリアクションができなかった。
ただ重複することなく、一本釣り。
結果、球団の作戦勝ち。喜ばしいことだった。
我々の作戦の結果は二の次である。
その後の生中継。
青山アナに「カラ出張」疑惑を指摘された。
払拭すべくイマ、東京にいるメリットを生かさねば(汗)
関東の選手は誰だ?唯一6巡目で亜細亜大学の矢野雅哉選手がいた。
ただ翌日東都リーグの試合のため取材NG。
こうなれば、広島から最も遠い選手は誰だ?
青森・八戸学院大の大道温貴投手がターゲットか?
今出れば、23時過ぎには八戸駅に到着できる。
夜の青森の気温は?10度ちょっと。
本州最北端の県へ行く覚悟で同行ディレクターはダウンを買いに走った。
間もなくして、RCC本社から連絡が。
『都内で一泊し、あすディレクターは八戸へ。
石田は愛知のドラ1・栗林投手のもとへ』
2020年ドラフト当日。
誰一人、指名選手にインタビューすることは無かった。
でも我々の右往左往なんて比較にならないくらい、
ドラフトでどの球団に指名されるかは選手たちの人生を左右する1日。
カープに指名された7人の選手はもちろん、
プロ野球の世界に飛び込む選手みなさんの活躍を心よりお祈りしています。
P.S.
なお、翌日はトヨタ自動車・栗林良吏投手にたっぷりお話を聞きました。
カラ出張とは言わせません!!!
詳細はイマナマ「カーチカチテレビ」やRCCラジオ「カープナイター」で♪