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  4. トップアスリートから感じた3つの矢 ~広島愛・不安・成長~

2016年もあと1か月となりました。
日本シリーズや優勝パレードなどカープ熱が11月上旬まで続いただけに、あっという間に12月という感覚です。

振り返れば、4月26日の神宮球場。
2000安打を達成した新井選手にマイクを向けた際、締めくくりにファンに届けた「最後の最後でみなさんと一緒に笑顔になりたいと思います!」でした。

それが現実となったのが9月10日の東京ドーム。
黒田投手が先発し、新井選手がウイニングボールをつかんで優勝を決めました。

黒田投手も新井選手も、FA移籍会見で涙するほど“広島愛”に満ち溢れた男です。
それでも2年前までこの2人がカープのユニフォームを着ていることすら想像できませんでした。
それが、揃って中心として活躍し、優勝決定ゲームで胴上げ。こんなストーリー、出来すぎです!!!
ちなみに私は4人兄妹ですが、私を含め3人が東京ドームに集結!広島愛のあふれる一家です。唯一、来られなかった妹は、翌日球場で優勝記念Tシャツを1時間半行列に並び買ってくれました(^^)

そして…忘れられない背番号15。
日本シリーズ第3戦で実況していましたが、ベンチに下がりダメかと思っていた中で、戻ってきた時の姿。投球練習をする様子。最後まで投げようとした男気…一生忘れません!
日米で203勝を挙げ、ユニフォームを脱いた黒田投手。
これだけ実績を挙げた選手でも「きょうの登板が終われば、次の登板にむけて準備するだけ。気の休まることはない」と身を引き締め、不安を払しょくするために変化を受け入れ、それをさらなる成長につなげていました。

新井選手も、40歳を前にして3割100打点でMVP獲得。
何歳になっても成長できる。それを結果で証明してくれました。

一方、カープパレードから20日後の11月25日。
広島愛に満ち溢れた男が、この街を去る決意を固めました。

サンフレッチェ広島の佐藤寿人選手です。
名古屋への移籍を発表した会見ではなんども広島を「大好きなチーム、大好きな街」と語り、広島で生まれ育った自身の子どもたちを「羨ましい」と話すほどでした。(佐藤選手自身は埼玉出身)

それでも、移籍を決断した理由。
自身の立場、広島の抱える世代交代問題、名古屋の置かれた状況など、ひと言では語り尽くせない様々なものが絡み合った中で、このセリフが胸に響いたそうです。

『やらなかった後悔は、やってないから悔いが残る。やった後悔は自分で受け入れられる』

それを自分の「わがまま」とも表現しましたが、現状からの変化を求める決断をしました。

私と同じ現在34歳。もうトップアスリートの中では“ベテラン”と言われる世代です。
それでも「(今も)不安があるから成長できる」と、今回の決断をさらなる飛躍につなげようとしています。

先日、そんな佐藤寿人選手とトークショーでご一緒しました。
身長はプロフィール上170㎝のところ、本当は169.5㎝という発言に沸き、身長の方は伸びなかった事実を明かしてくれましたが、そんなの関係なし!
“小さくても勝てる長所”を自ら作りだし、J1・J2で200ゴール以上を積み上げてきました。
来季ユニフォームは赤くなりますが、これからもレジェンドプレーヤーとして応援し続けたいです。

それにしても、この土地にいるトップアスリートから感じる広島愛の大きさと、いつまでも成長しようとする姿勢には頭が下がります。

さあ、広島にとって2017年はどんなシーズンになるのか?
カープもサンフレも長年チームを支えた伝説的なプレーヤーが抜けますが、新たな顔が生まれることも楽しみにしたいと思います!!

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