普段、ニュースを伝えている私にとり「自分自身のことを話す」事は、
この15年くらいほとんどありませんでした。
たぶん、この「アナウンサー日記」くらいではないでしょうか。
1月から始まった「イマナマ!」では、期せずして話すこともあるようになりましたが、
しばらく話していなかったので、自分のことを話すのは「いけないのではないか?」と
変なブレーキをかけてしまうこともありました。慣れって怖いですね(笑)
イマナマ!では基本的に「家電好き」で「カレー好き」で「サッカー好き」という感じになっていますが、
きょうのアナウンサー日記は、今まで放送では話していないことです。
実はこの3年ほど、「欅坂46」にハマっていました。
アイドルに全く興味がなかった自分が…です。ドはまり…です。
いい年をしてサイリウムを振ることになるとは…。
3年前、「欅坂の新曲があまりにもすごいので、完コピしようかなって思っているんだ」
というタレントさんの話をたまたま耳にしました。
欅坂というグループがあるのは知っていましたが、そもそも誰がいるのか、何人いるのか。
それこそ46なのか48なのかもわからないくらいの知識でした。
何日かのちに、たまたま音楽番組でその曲とパフォーマンスを目にしました。
「不協和音」。
なんだ?
この心の叫びのような、とてつもなく強い歌詞と、
何かがのり移ったかのような目線…。
それはまさに戦う集団。
「不協和音を僕は恐れたりしない。嫌われたって僕には僕の正義があるんだ」
メッセージ色が濃い歌詞は、もはや、いわゆるアイドルという枠ではない。
生きる苦しさを表現するようなダンスにも圧倒され、
そのあとはスマホでミュージックビデオの動画検索の嵐。
そもそもファンクラブに入るほどサザンが大好きなおじさんが
どうかしてしまったのか…。
自分でもおかしくてしょうがないけれど、
センター平手さんの圧倒的な表現力を前に、
40を過ぎたおじさんが、
このグループの楽曲とパフォーマンスが気になって仕方がない…。
そうやってハマった人も多いんだと思うんだけど、違いますかね(笑)
私は、MVに比べて、きっと生のパフォーマンスは、
伝わってくるものがもっとあるはずだと思い、
ライブで直接「不協和音」を聞きたい。と感じるようになりました。
その後に発売される楽曲一つ一つが、どれもメッセージが強すぎる。
紅白での過呼吸騒ぎや、メンバーの体調不良など、
グループを取り巻く様々な情報が交錯する中で、
見るからに身を削りながら、世の中に訴えかけようとするグループの動向を追い続けました。
「欅坂」ファンになった娘と、福岡まで初めてライブを見に行きましたが、
この「不協和音」だけは、あまりにもパフォーマンスに負荷がかかりすぎるらしく、
残念ながらナマで見ることはできませんでした。
紆余曲折の3年間。
特に今年はセンター平手さんの脱退やメンバーの卒業が相次いだため、
ついに活動に終止符を打ち、グループは改名することになりました。
もはや、あのメンバーでの不協和音をナマで見ることはできません。
大変残念ですが、仕方ありません。
しかし、
別のコンセプトでグループが新たな道に進もうとしていると知ってからは、
夢にうなされていたような感覚はすっと引きました。
このグループには様々な批判もあったようですが、
私は十分楽しませてもらったと思います。
欅坂のすごさについて、語りたいことは山ほどあるのですが、
多分、ずっと見続けている人たちにしか、わからないと思うのです。
だから、欅坂への思いと新たな感覚をもらえた3年間を、
気持ちの引き出しに収めたいと思います。
13日で活動を閉じて、櫻坂として歩み始めたグループ。
今後は少し遠目でエールを送りつつ、自分も新たな方向に歩いていこうと思います。
なぜか大真面目に、長々と書きましたが(笑)
私には、感謝しかないのです。本当にお疲れ様でした。