いま、和食ブームの影響もあり、日本酒の海外への輸出が増加しています。我らが広島の地酒も、徐々にですが海外への輸出量を増やそうとしています。そして去年から本格的に県内の酒蔵がタッグを組んで、「広島の酒」を海外に売り出そうという取り組みが進んでいます。
継続して取材しているのですが、実は私は日本酒は苦手でした。若いころ調子に乗って飲んでしまい、記憶を無くしてしまったり、悪酔いしてしまったというイメージから、日本酒離れしてしまっていたのです。
しかし取材を進めていく中で、さまざまな酒蔵を訪れて、酒造りに対するこだわりを聞いていくと、やっぱり『飲んでみたい』と思ってきたのです。酒造りは自然との対話、そして長年の経験、そしてまるで子供を育てていくような真心と情熱。その中で修練され続けて出来上がった代物なのです。そんな背景を聞いた後に飲む「日本酒」は、なんとも言えない味わいを、のど元から与えてくれるのです。
日本酒のおいしさに気付いた私は、もう一つ気づいたことがあります。飲み方です。私は、基本的にどの種類の酒も飲むのですが、だから違う種類の酒をあれこれと飲んでしまうんですよね。しかもがぶがぶと。これがいけなかったんですね!よく日本酒は「ちびちび」飲むものだといわれますが、その酒の味わいをじっくり感じながら飲めば、変な酔い方はしなくなりました。
40を過ぎて、ようやくこんな基本的なことを理解したわけですが(笑)
、おかげでおいしく日本酒を飲めるようになっただけでなく、これまで飲んだことのなかった銘柄との出会いが本当に楽しくなりました。
私と同じとは言いませんが、過去の似たような経験やイメージから実際若い世代の日本酒離れというのは進みました。国内は少子化で人口も減っていく。国内需要も減っていくなかで、海外に活路を求めようという動きは当然かもしれません。でも酒蔵の人はおっしゃっていました。「本当に売りたいのは日本です。逆輸入ではないけど、日本の人に気付いてもらうために、海外での評価も得て、国内に訴えかけたい」
山口の獺祭が海外でブームと聞きますが、広島も負けないでがんばってほしいですね。