先月27日、声優の永井一郎さんが、亡くなりました。
永井さんは、RCCでの仕事のため、広島に滞在していらっしゃいました。
その仕事は、RCC発全国放送のテレビ番組のナレーションで、
永井さんが担当してくださるのは今回で3回目でした。
そしてその3回、私もナレーションとして参加していまして、毎回、刺激を受けていました。
82歳というご高齢でしたが、ナレーションに臨む姿勢は、柔らかいけど強い。
そして時折見せてくださる、チャーミングな一面。
失礼ですが、“かわいらしいおじいちゃま”でした。
2年前、初めてナレーションをご一緒した後、お手紙を書いたら、お返事をくださいました。
3枚の便せんにびっしり。ナレーションというものについて。
しゃべるという仕事について。衰えることについて。
地方の1アナウンサーにも、こんなに丁寧に教えを分けてくださるんだと、
とてもありがたかったのを覚えています。
今回のお仕事のあと、お食事をご一緒したときにも、
戦後の話、今の日本の話、声優として関わられたジブリの話。もちろんサザエさんのお話も。
他人から見たらマンネリと思われる仕事でも、初めて見て親しんでくれている子どもがいると思うから、
毎回新鮮な気持ちで取り組んでいるんだと話してくださいました。
心から永井一郎さんとの出会いに感謝し、空の上で安らかに過ごしていらっしゃることを祈りながら、
その教えを受けついでいきたいと思っています。
永井さん、ありがとうございました。