放送日:2023年2月16日(木)

ゲスト:広島県健康福祉局健康づくり推進課 がん医療・共生グループ 藤森聡さん
パーソナリティ:石橋真、田口麻衣

おひるーな放送中の出演者
Q.藤森さんが所属されている「がん医療・共生グループ」、具体的には、普段どんなお仕事をされてるんですか?
一言で言えば、がんで死亡する人をできるだけ少なくしたいということでそのため県民の皆様にがんに対する理解を深めていく、そういう啓発活動を行っております。
Q.今回、誰もが知っておきたいがんの話ですが、改めて広島県のがんの現状というのはどんな感じですか?
がんは2人に1人はかかる身近な病気となっています。広島県では、年間約2万3000人の方ががんにかかりまして、そのうち8000人ががんで亡くなられているという、死因のトップとなっております。ただ、かつて不治の病と言われていましたが、医療の進歩などで早期に発見し、早期に治療すれば治る病気となってきております。がんにかかられた方のうち、治療すればどのくらい生存できるかを示す5年相対生存率というのがありますが、早期発見できた場合と進行後に発見された場合とでは、圧倒的に数値が変わってきます。
Q.圧倒的に違うんですか?
胃がんを例にしますと、早期発見治療できれば、5年後の生存率は約99%です。進行後のステージ4で見つかった場合はわずか6%という数値が出ております。このようにがんを治すためには早期発見、早期治療が非常に大切ですが、令和元年度の広島県のがん検診受診率はいまだに4割台で、胃・肺・大腸・子宮頸・乳がんの五つのがんで全て全国平均を下回っているという状況です。
Q.広島県だけの問題じゃなくて、なかなか自分ごととして受け止められない、考えられないということもあるんですかね?
そうですね。できるだけ早期に発見し治療できるように定期的にがん検診を受診することが大切ですが、がん検診について深く理解されていないために自覚症状がないときから受診が必要という意識が薄くなってしまって、ついつい先延ばしにされているのではないでしょうか?
Q.自分で何も感じるところがなかったらまだ大丈夫かなという気持ちが確かにありますね。
藤森さん、がんを自分ごととして考えていく中で、何をどこから調べていいのか、教えてください。
インターネットがご利用いただける方であれば、情報ポータルサイトの「広島がんネット」というのがございます。こちらを検索してご覧いただきたいと思います。がん患者さんやそのご家族の方のみならず、どなたでも一度ご覧いただくと、がんについていろんな情報が入っております。がんに関する正しい情報を入手できるよう予防健診、医療療養生活などに関する情報、幅広く掲載していますので見ていただきたいと思っております。
Q.「広島 がん」と検索したらすぐ出てきますね。本当に充実していて「年齢によって」「がんの部位によって」「立場によって」いろんな角度から情報を得ることができる形になってますね
例えばどうしたら将来がんにかかるリスクを減らせるかというふうに思われたときには、がんの発生要因と予防というページをご覧いただきますとがんの原因に繋がる生活習慣について解説しています。ご自身の生活習慣改善の参考にしていただけると思います。
Q.生活習慣改善、例えば運動や食生活などにも繋がるものなんですか。
そういうことです。具体的に言うと禁煙、食生活、運動、そういったことがいろいろ書いています。
Q.それ以外にもありますか?
はい。がん検診を受けたいけどどうすればよいか分からない方につきましては、「がん検診を受けよう」というページがあります。ご自身の状況に応じた窓口がわかるように、申し込みまでのフローチャートを掲載していますのでご覧いただきたいと思います。
Q.自分が実際にがんになってしまったときに、もしくは家族や友人ががんになってしまったときに、頼れる存在として、がん相談支援センターというのもあるんですね。
ご存知ない方も多いかと思いますが、がん相談支援センターは、国や県が指定したがん診療連携拠点病院全てに設置されています。がんに関することなら誰でも何度でも無料で相談いただける窓口です。
Q.誰でも何度でも無料でいいんですか?
がん相談支援センターのある病院にかかっていなくても誰でも相談できます。また電話相談も可能です。このがん相談支援センターのあるがん診療連携拠点病院は県内に合計13病院あります。各地区、地域の比較的大きな公立病院などがこの病院に該当します。先ほどご紹介しました広島がんネットに病院の一覧やがん相談支援センターの連絡先なども掲載しています。この機会にぜひ近くの病院を確認していただければと思います。
Q.誰でも何度でもということでしたけど、例えばどういう相談できるんですか?
治療の内容や医療費のこと、仕事の両立との関係など具体的な相談はもちろんですが、ただただもう不安で仕方ないんですというようなことも相談いただけるようになっております。
Q.吐き出せる場所があるって大きいですね。
実際にがん相談支援センターのスタッフにお話を聞いてみると、頭が混乱して、医師からの説明が理解できていないという方もいらっしゃいます。何を相談すればいいかさえもよくわからないと言った方が躊躇されたりもしますが…そんなことを1人で抱え込まずにまずは相談員にご連絡いただきたいということでした。相談員が治療方法などをわかりやすく説明することもできますし、何より不安の解消をお手伝いできるということに繋がります。その他にも県立病院では医師に相談できる「がんよろず相談所」を毎週火曜日に開設しています。予約制ですので事前に電話連絡が必要となっております。
Q.今日の放送をきっかけに、がんを自分ごととしてリスナーの皆さんにも受け止めてほしいなと思います。
最後に藤森さんからメッセージをいただけますか。
はい。くどいようですけれども、がんは誰もがかかる可能性のある病気です。がんを告知されて慌ててネットで調べて誤った情報を得てしまうことがないように、平素から正しい情報をがんネットなどを使っていただき知っていただきたいと思います。万一ご自身や、ご家族ががんになったとしても、まずはがん相談支援センターというものがあります。そちらの方へ連絡されることをしっかり覚えておいていただきたいと思います。

ゲストコーナー「おひルーム」。今日は広島県健康福祉局健康づくり推進課がん医療共生グループ藤森聡さんに教えていただきました。藤森さんありがとうございました。

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