イラスト/小野寺光子
出典/『被爆電車75年の旅』(株式会社ザメディアジョン)
架線の電気を採りいれる集電装置。もとは布団叩きのような形のビューゲル方式だったが、昭和50年、架線への追従性がより高いZパンタに換装された。あまりスピード出さずに走る路面電車用の集電装置である。
架線からの直流600Vを、空調用の交流220Vなどに変換する。
直流変換駆動の三菱電機製で、昭和61年に装着された。1トンほどの重量があるため、装着の際には車体に補強改造がなされた。作動時は上から見ると、内部でファンが回転しているのがわかる。
夜間、前途を照らすとともに、周囲の人間、車などに進行方向を知らせる。反対側の尾灯と同期しており、これを点ければ尾灯も自然に灯る仕組みだ。
パンタグラフを伸縮させるための、昔ながらのロープ。反対側にもあり、どちらかでも操作可能。
終点で折り返して、こちらが後部になった際に赤く点灯する。ブレーキ時、ひときわ強く光って、正面窓下枠のブレーキランプとともに、停車を周囲に知らせる。
入庫検査でパンタグラフを降ろしたときなどに、車体を牽引するためのもの。裏に衝撃吸収用のダンパーが仕込まれている。
線路上の障害物をはねのけ、車体下にまきこまないようにしている
車庫外で屋根に上がるためのもの。集電装置にトラブルが起こりがちで、営業中に点検をすることがしばしばあった往年の名残りである。現在、車庫の外で 使われることはまずない。
16トンの車体をふたつの台車で支える。製造所は諸説あり、不明。中央に見える段々の板は板バネ。字のごとく、鋼板の曲げ特性を利用したバネで、車体と台車の緩衝となり、乗り心地をよくしている。
昭和50年のワンマン化改造の際に締め切られた。その分、車内のシートが延長されている。